ホーム たまごの話 たまごからのお願い コレステロールは大丈夫?

コレステロールは大丈夫?

たまごとコレステロールの関係は誤解!
全国鶏卵消費促進協議会発行「くらしのなかのタマゴシリーズ⑧」より抜粋
東京大学医学部内科助教授 本間康彦監修

誤解の始まりは、ウサギの実験

 そもそもたまごが、悪玉コレステロールの代表のように言われるようになったのは、約90年前。1913年、ロシアでの実験がきっかけでした。コレステロールが人体に与える影響を調べる為に、栄養価の高いタマゴを、草食動物のウサギに食べさせて実験しました。その結果、動脈硬化の元といわれる血中コレステロールが増加し、タマゴ=悪玉コレステロールの印象がうまれてしまったのです。  ウサギは草食動物なので、動物性の脂肪を含むたまごを食べさせればコレステロールが増加するのは当たり前のこと。しかし、人間は雑食性なので、動物性の食品もたくさん食べますが、常にコレステロールが増えるわけではありません。そこで最近では、このロシアのコレステロール実験は、科学者の間でも疑問視されています。

最近の実験では、

  日本でも1981年に、人体とコレステロールに関する興味深い研究結果が発表になりました。健康な成人に、1日5~10個のタマゴを5日間連続して食べてもらうという実験です。その結果、1日に10個ずつ食べた人でも血中コレステロールの値がほとんど変化しないことがわかりました。  叉最近の実験でも、普段の食事以外に、1日にタマゴを3個ずつ、しかも2週間食べ続けてもらった結果、コレステロールの値を計ってみると、ほとんど変化はありませんでした。  こうしたいくつかの実験でもわかるように、タマゴや他の食べ物からコレステロールを多く摂っても、必ずしもコレステロールが増加するわけではないのです。

からだの中でコレステロールは、どうなるの?

cholesterol

 食物に含まれたコレステロールは、からだに入ると小腸で吸収され、肝臓に運ばれます。肝臓では人間に必要なコレステロールの量を判断し、足りない分は自ら合成します。血液中に存在するコレステロールのうち、4分の1が食事から、残りの4分の3は肝臓で合成されます。  ですから、食べ物から摂るコレステロールが多少多くなっても、自ら合成する量を減らし、いつも一定量を保つよう調整されるので、すぐに健康に悪影響をおよぼすということはありません。

実は、こんな重要な働きもあるコレステロール

 コレステロールは、私たちの体内に100~150gあります。からだの細胞膜の主成分であり、脳神経の刺激を伝える神経組織の成分でもあります。叉、胆汁酸に変化して脂肪の消化を助けるほか、若さを保つ性ホルモンや副腎皮質ホルモンなど、さまざまなホルモンの原料として必要です。  コレステロールは、とにかく目の敵にされがちですが、実は人間の生命と健康を支える不可欠な栄養成分なのです。

タマゴのコレステロールが安心なのは、

chole3

  食べ物に含まれるコレステロールと同じように、小腸で吸収され、肝臓に運ばれる物にミリスチン酸という脂肪酸があります。ミリスチン酸は肝臓を刺激すると同時に、コレステロール合成の材料となって大量に血液中に流出させます。  血液に入ったコレステロールは、細胞膜の合成などに使われるので悪影響はないのですが、余ったコレステ ロールが肝臓に戻るのをミリスチン酸が邪魔をします。これが悪玉コレステロールになり、次第に血中コレステロールがあふれ、長い間には動脈硬化の原因となります。  タマゴはコレステロールの多い食品ですが、、実験で証明されているように、それが血中コレステロール値を上昇させるわけではありません。タマゴには、この問題のミリスチン酸がほとんど含まれていないうえに、コレステロールを下げるオレイン酸が豊富だからです。

卵白のシスチン、卵黄のレシチン。

 研究の結果、卵白には血中コレステロール、特に悪玉コレステロールを下げる作用があることが明らかになっています。それは卵白に含まれるアミノ酸シスチンの効果ではないかといわれています。  また、卵黄にはレシチンという脂肪酸が含まれていますが、レシチンは動物実験の結果、血液の悪玉コレステロールを減らす働きがあるといわれています。  タマゴは、コレステロールが心配どころか、反対に私たちの健康作りの味方だったんですね。

back